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チチカカ湖でボート故障

4000m級の高地では空気中の浮遊物が少ないせいか、それとも気圧が低いせいか
すべての物がクリアに見えすぎる。色彩がカキーンとしている。
湿気によるぼかしがない。

音がない。反響しないで拡散していく。

赤茶けた乾いた岩と砂の上に立つと
青すぎる空しかない。
宇宙にむき出しにさらされているような感覚。
紫外線が暴力的。目や皮膚に突き刺さる。
拡散の怖さ。開かれた不安。
逆にアマゾンは密集の恐怖、押しつぶされる息苦しさ。

歩きながらずっと編み物をし続ける男たち
写真挿入予定
タキーレ島では男たちが歩きながらずっと編み物をし続けている。話している時も歩いている時も、手を止めずに編み続けている。土色と、空と湖の青色以外の色が無いので、彼らの黒い衣装と深紅の織物が目にしみるほど鮮やかだ。
※ チャスキー 挿入

島からの帰りのボートが突然動かなくなった。湖の真ん中で停止。
まず、助手らしき小学生くらいの子供がナイフを口にくわえ冷たい湖に飛び込む。
何回も潜ってスクリューのあたりを調べる。

その後、船の板を剥がして、金ノコでパイプを切断し始めた。結構な大修理である。問題は、工具箱らしきものは見当たらないことだ。工具がほとんどない。船頭はそのへんの部品を適当にひっぺがして金槌でたたいて工具を作っている模様。船(私たちが乗っている!)の板を止めている釘を抜いてその頭をがんがん叩いてドライバーらしきものを作っている。手製のドライバーを作り始めたのだ。船体がばらけたら元も子もない。工具作りからスタートで気が遠くなった。ぺルーの人のこういう場面での粘りとタフさにはいつも感服させられる。日本人なら、というか私ならとっくに諦めているだろう。
 そう言えば、私たちライフジャケットも着ていない。
チチカカ湖は琵琶湖の8倍もの大きさ。泳いでは 無理。
視界の範囲に他の船はない。

帰りの電車と飛行機には間にあわないなあ。こんな寒い湖の上でどうなるのかなあ。
夕暮れが近づいてくる。
空と湖が赤紫から青紫にかわっていく。

どのくらい時間がたったか、結局、助手の少年の単なる接続ミスであったことがわかる。しかし、もう大修理であちこちバラバラ。これをもとにもどせるか。少年は船頭にしかられ、代わりに湖に潜らされる。もうすっかり暗くなり、風も身を切る冷たさ。少年は船に上がるなり泣き出した。青い顔でガチガチ震えている。みんなで身体をごしごしこすって温める。ダウンジャケットを貸してあげるくらいしかできない。
そして、乗客らが止めるのも聞かず、船頭が再度飛び込む。悪戦苦闘の末、なんとかもと通りに組み立てられた。祈るような気持ちでスイッチが入れられる。一回目スカ。二回目スカ。三回目ポロッポロッと頼りない音を立ててついにエンジンが復活した。いつ止まるかと冷やひやしながらなんとかプーノの港までたどり着くことができた。

ペルー人は最後の最後になんとかしてしまう。

リマで、車が道にあいた穴におちてタイヤホイル自体が曲がったときも、工具なしで、石でたたいてとりあえず走れるところまでなおした。
イベント準備も、段取り無しでねばりと人海戦術でやりとおす。
仕事でも、遅々として進まないのに、最後には帳尻を合わせてしまうぺルー人のスタミナを、
私は心の底では信頼している。それでも、しょっちゅう同じ事を何度も言い続けて急かさないと不安でしかたがない。
なので、その悪い癖を日本にいる今でもひきづっていて、同じことを3回ぐらい別のルートや人で確認してしまう。
日本でこれをやると、たいがいムッとされる。そんなにしつこく聞かなくても と怪訝な顔をされる。

 ぎりぎりプーノの港には着けたけれども、ここからのアレキパ行きの列車の発車時刻が迫っている。
15分前に駅の近くに着いて、ほっとしてアンティクーチョ(牛のハツの串焼き)を一本食べていると
「セニョリータ、これからどこ行くの?」
「アレキパ」
「もしかして列車?」
「そう」
「バカだね。駅は発車30分前に閉まるんだよ。もうだめね。」
「えー」
ダッシュで駅に向かう。標高4000mくらい+大荷物で。
やはり 閉まっている。
閉店とか業務終了とかいうのだけとても素早い。役所の窓口なんかも、閉まる1時間前ぐらいからせっせと帰る準備をしている。そのくせ始まりはきっちり小一時間遅れるくせに。
警備員をつかまえてわめく。
「30分前なんて知らなかった。来る時は3時間も列車が遅れたのに。まだ2分前だ。なんとかしてくれ。」と頼んだら駅員を呼んでくれた。が、列車はすでにガタン、ガタンと動き出している。
「さっさと鍵を開けてー」またダッシュ。4000m+大荷物で。
「セニョリータ、ゆっくり走れ。」と列車の車掌が言う。
「そんなこと言わないで列車を止めてよ」
走りだした列車を追いかけ、飛び乗りなんとか乗り込むことができた。

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